文字を修正するたびに思い出す修正液の匂い

消しゴムでは消せない、ボールペンや万年筆で書いた誤字を修正するときに使う修正液は、1950年頃、アメリカの会社でタイピストとして働いていた女性が発案しました。 1958年、この女性が会社を創業し、全米で発売が開始されたことをきっかけに、修正液は世界に普及しました。 1970年代に登場した日本製の最初の製品は、修正液の代名詞となりました。

最初に登場した容器に入った修正液は、キャップと一体になっているハケを使って修正するタイプでした。 しかし、修正液を塗布したあと、乾燥するまで一定の時間待つ必要があること、乾燥していない状態で触れると、手が汚れてしまう欠点がありました。

修正部分にペンの先端を押しつけると、修正液が出る“修正ペン”も登場しました。 使っているうちに、“修正ペン”の先端にできた隙間から空気に触れた修正液が固まり、出なくなってしまうことがありました。

弱点を克服するため、「修正液を乾いたテープ状にできないか」という発想に基づき、1989年に登場した修正テープは、日本の文房具メーカーによって開発されました。 その後、各社から発売され、爆発的に普及したる修正テープが修正用品の主力になると、修正液の需要は減少しました。

学生時代全盛だった修正液を使い、私はボールペンの誤字を書き直していました。 修正テープが主力となった現在では、修正するたびに修正液の匂いが懐かしく思い出されます。